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月刊コラム

2012年7月 ストーカー事件への真摯な取組みを

 今年1~5月に全国の警察が把握したストーカー事件が、前年に比べ2,069件多い7,841件に上ったそうです。中でも千葉県が211件増の404件と、長崎県とともに急増しました。昨年、長崎県で発生したストーカー殺人事件をきっかけに、ストーカーによる被害を被っている人が警察に相談に訪れるようになったためと分析されています。

 長崎県西海市で起きたストーカー殺人事件はショッキングな事件でした。祖母と母親が刺殺されるという残虐さとともに、ストーカーにつきまとわれていた女性の家族が事件前に被害届を千葉県警習志野署に出そうとしたところ、担当者が提出の先送りを求め、そのあと、署内の慰安旅行へ出かけていたという事実が明らかになり、世間をあ然とさせました。

 2000年にストーカー規正法が施行された端緒は、埼玉県桶川市のJR桶川駅前で発生したストーカーによる女子大生刺殺事件でした。この事件では、ストーカー被害者やその家族から出されていた告訴状の取り下げを要求するなどの、埼玉県警上尾署の対応が問題になりました。真摯に被害者の訴えを聞かなかった警察の怠慢な対応は、長崎県での事件に係わった習志野署の対応と同質のものです。ストーカー規制法が施行されてから12年、長崎県での事件は、規正法成立の背景やその趣旨が忘れ去られたための残念な出来事だったと言ってもいいでしょう。

 警察庁はストーカー事件に対する警察の危機意識が不足していることを認め、この種の事件では警察署長が直接指揮を執るなどの通達を出しました。また、ストーカー行為やDV(ドメスティック・バイオレンス)の相談窓口を訪れた人に、その場で警察や行政にどのような対応を望んでいるのかを確認する取り組みを、警視庁や大阪府警などが始めました。これらの一連の対応が、これまで被害届の提出をためらっていた人を警察に後押ししたと見られています。

 監視・中傷・脅迫・プライバシーの侵害を犯すストーカーの心理を精神医学者が分析しています。それによると、自分の感情・欲望を相手の感情と無関係に一方的に押し付ける反社会的人格障害や、人格の成熟が未熟で、自己中心的で、他人・相手の立場になってみてものを考えることが出来ない境界人格障害、自信・自負心が強く、拒絶した相手にストーキングする自己愛性人格障害などが見られるとしています。いずれにしても、ストーカーの心理は尋常ではないのです。

 心がゆがんだストーカーによる痛ましい事件を防ぐために、警察は常に目を光らせ、被害者からの相談を親身になって聞くべきです。長崎県での事件を契機に、ストーカーの加害者と被害者双方の性格や言動を警察官が被害者から聞き取って約70項目をチェックし、危険性を判断する新しい試みも千葉県警などが着手しているということです。

 警察は人の生命や身体を守る組織です。警察官一人ひとりがこの言葉を心に刻み直し、事件の未然防止に力を注いでほしいと思います。

 

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