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月刊コラム

2013年6月 成田空港35周年

  開港から35年を迎えた成田空港。「選ばれる空港を目指したい」(夏目誠NAA社長)と、新たな成長戦略を着々と実行に移していますが、世界のハブ空港として発展していくためには、解決すべき幾多の課題も抱えています。区切りの年を機に、成田空港の未来と課題をまとめてみました。

 世界の航空界はオープンスカイ(航空自由化)時代に突入しています。日本も例外ではありません。成田空港は今年3月末からオープンスカイを開始し、増便で年間発着30万回の目標を掲げています。

 目標達成のカギはLCC(格安航空会社)の新規就航にあるとして、誘致に務めた結果、2012年度(2012年4月~2013年3月)の航空機発着回数は前年度比13.3%増、過去最高の21万2千回を記録しました。決算も好調で、平成25年度は2期ぶりの増収増益となりました。最終利益は前期比4.3倍にもなり、民営化以来最高益だそうです。

 年間発着回数30万回へ期待を持たせる好調ぶりですが、これからの成田空港の道程は決して平坦とはいきません。課題の一つは発展するアジアの他空港との競争です。中でも米国航空会社などへの誘致活動を活発化している韓国・仁川空港とのアジアのハブ空港争いはこれからますます激化していくと予想されます。国内では再国際化された羽田空港との競争もあります。

 2012年度の旅客数は前年度比16%増の3,343万1,214人となり、リーマンショックや大震災で落ち込んでいた旅客数の回復が見られましたが、それでもリーマンショック以前の水準には戻っていません。また、航空機発着回数押し上げの原動力になったLCCですが、業績不振でANAホールディングがアジア最大のLCCであるエアアジアグループ(マレーシア)との合弁解消を検討するなど、一部に先行き不透明感もあります。

 さらに、海外の空港と比べて割高な着陸料、空港使用料も、多くのライバル空港と競争する上で大きな足かせになっていました。空港用地になお残る未買収地も解決が急がれる問題です

 これらの課題を踏まえて、NAAはさまざまな戦略を実施に移しています。まず着陸料ですが、4月からすべての国際線の着陸料を5.5%引き下げました。その上で、国際線の新規就航・増便分の着陸料を最大で半額以下にしました。このダブルの引き下げで、国際線新規就航の航空機の着陸料は、これまで成田の半額ほどだった韓国・仁川空港、シンガポールのチャンギ空港の利用料に近づきました。

 LCCの専用ターミナルも26年度までに完成し、より多くのLCC誘致へ基盤が整えられることになります。利用者に評判が悪かったセキュリティチェックですが、顔を識別できるカメラなどを使ったノンストップ・セキュリティチェックが検討されています。

 「日本の空の玄関」である成田空港は、ふるさと成田が世界に誇る施設です。また、千葉県経済を活性化する原動力の一つでもあります。アジアのハブ空港としての地位を確固たるものにし、年間発着30万回の目標が実現するよう、私も成田空港の発展を全力で応援していきます。

 

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