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月刊コラム

2014年1月 動き出した普天間飛行場の移設計画

 沖縄県の仲井真知事が米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設のため、政府が提出した沿岸の埋め立て申請を承認しました。これによって日米同盟の大きな懸案がようやく動き出すことになりました。アジア太平洋地域の安全保障のための仲井真知事の決断に敬意を表します。

 そもそも、普天間基地の辺野古への移設は1999年にいったん、沖縄県によって決定された事柄でした。ところが、2009年に発足した民主党政権が県外移設を主張、同党による移設構想は迷走の挙句、翌年には「最低でも県外」と公言した鳩山首相が県外移設の方針を取り消しました。この間のドタバタ劇が諸外国の不信を買ったものでした。

 宜野湾市街地のど真ん中にある米軍海兵隊の普天間飛行場は、周辺に住宅や学校、病院などが集中していて「世界一危険な飛行場」と言われています。1995年には米兵3人による少女暴行事件が起き、さらには沖縄国際大学に軍用ヘリコプターが墜落して、沖縄県民による返還の要求は一気に高まりました。辺野古への移設が実現すれば、市街地への騒音や事故の危険性がひとまず軽減され、普天間飛行場跡地を利用した都市計画も可能になります。

 辺野古移設をめぐって沖縄県内は揺れているようです。しかしながら、県外移設をあくまで主張すれば移設問題が前進せず、普天間基地の固定化を招くだけです。これは県内移設を容認した自民党の沖縄県連所属国会議員らの主張ですが、まったくその通りではないでしょうか。

 沖縄県の米軍基地は、位置的にも東南アジアの平和のための重石なのです。尖閣諸島で領海侵犯を繰り返すなど海洋進出を目論む中国にとって最大の障壁は日米同盟です。東アジア地域をにらむ沖縄の米軍基地は中国の膨張主義の抑止力にもなっているのです。安倍内閣は中国の海洋進出を同じように危惧している東南アジアの国々と協力しようとしています。沖縄の米軍基地はその後ろ盾となるものなのです。

 基地の負担を沖縄だけに押しつけていいのかという議論は十分わきまえています。それを承知の上で、我々は日本の安全保障のために、沖縄県民に米軍基地の容認と共存をお願いしなければなりません。

 負担をお願いする沖縄県のために、政府は今後8年間で総額2兆4000億円を超える超大型の沖縄振興予算を組むことを決定しました。さらに、沖縄県が求めている普天間基地の5年以内の運用停止、早期返還を具体化するために、防衛省に作業チームを設ける方針も決めました。安倍内閣、自民党は沖縄県民のためにこれらの約束を忠実に履行し、沖縄県民に報いる方針です。

 先般の名護市長選挙では、辺野古移設に反対する現職が再選を果たしましたが、仲井真知事は埋め立て承認の考えに変化はないとしています。ニューヨークタイムズは辺野古埋め立て承認を受けて、社説で「日米両政府が県民になぜ米軍駐留が必要か、説得力のある説明をするべきだ」と述べています。当然、政府は今後とも沖縄県民との対話を通じて、基地との共存への理解を深めていくことになると思います。

 

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