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月刊コラム

2014年6月 首都圏空港の機能拡大を検討

 首都圏空港のさらなる機能強化を検討する「首都圏空港機能強化技術検討小委員会」が開催されています。6月には第5回目の委員会が開かれ、発着便数の拡大に向けたいくつかの方策を盛り込んだ中間取りまとめが発表されました。

 首都圏空港の利用者は2022年度に旅客数が最大で1億3000万人、発着枠76万回、2032年度には約1億6000万人、94万回に増えると予測されており、空港キャパシティの不足が懸念されています。
成田と羽田がアジアにおけるハブ空港の中心的役割りを担っていくには、両空港が有機的に連携しお互いを補完することが欠かせません。そのため国交省は、学識経験者や元パイロット、同省の関係部課長らで構成される同委員会を立ち上げ、首都圏空港の機能拡大に向けてあらゆる方向から技術的な検討を加えてきました。

 中間取りまとめでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、首都圏空港の空港処理能力を年間7万6000回~7万9000回増加することが可能としています。

 その方策について、成田空港は「管制機能の高度化で1時間当たり64回から68回へ拡大(年間約2万回増)」「高速離脱誘導路の整備で、さらに72回へ拡大(年間約2万回増)」が可能とし、合わせると年間約4万回の発着が増やせると分析しています。夜間飛行制限の緩和は、空港処理能力拡大の一つとして考えられるが、地域の理解を得ることが必要としています。

 施設面では、離発着機増加に対応するため、駐機場、固定駐機場を備えたサテライトビルの整備や、第3滑走路などの検証が必要と述べています。

 一方、羽田空港については、「滑走路処理能力の再検証で、1時間あたり80回から82回へ拡大(年間約1万3000回増)」「東京上空を含む新飛行ルートの想定、滑走路の運用見直しで1時間当たり82回から90回へ拡大(年間約2万3000回から約2万6000回増)」、これによって年間発着回数は計3万9000回増が想定できるとしています。

 東京オリンピック・パラリンピック以降についても検討が加えられ、滑走路増設が考えられるほか、飛行経路見直しの検討を引き続いて行う必要があるとしています。

 また、羽田空港の国内線発着枠の国際線発着枠への振り替えや、国内線路線の成田空港への移管を提案しています。これは成田に国内線を移し、空いた枠を国際線に回すということを意味していますし、これまでタブーとされていた東京上空の飛行も検討するなど、なりふり構わず羽田の国際化を推し進めていくことが見て取れます。

 オープンスカイ以降、利用者のニーズに応えていくことは必要なことですが、2つで1つの首都圏空港という中長期的なビジョンを明確にしないまま、バランスを無視して闇雲に搭乗率の高い主要路線を次々に羽田へ移行するのは得策ではないと思います。

 韓国の仁川国際空港、中国の上海浦東国際空港、タイのスワンナプーム国際空港、マレーシアのクアラルンプール国際空港などは4000メートル滑走路を4?5本持つ巨大空港を目指しています。我が国の首都圏空港も将来を見通した機能強化への展望、対策を立てなければなりません。

 成田としても羽田を敵視するのではなく、首都圏空港として改善が必要な部分を謙虚に受け止め、地元の理解を得ながら整備を進めていくしかないと思っています。

 

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