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月刊コラム

2015年5月 あってはならない給食への異物混入

 千葉市の小学校で、出された給食の麦ご飯にたばこのフィルターと葉のようなものが混入していたという出来事がありました。安全を厳しく守らなければならない学校給食になぜ、異物が混入したのでしょうか。教育委員会は原因を徹底解明し、再発防止に努めなければなりません。

 5月11日に麦ご飯を盛り付けていた5年生が、麦ご飯の中にたばこのフィルターが混入しているのに気づきました。また、6年生のクラスで麦ご飯を食べた児童が、たばこの葉のようなものが入っているのを見つけました。因果関係は不明ですが、この麦ご飯を食べた6年生のうちの1人が目の充血と鼻血を出し、医療機関で受診したということです。

 たばこのフィルターや葉は加熱された形跡が無く、炊飯後の混入と思われ、炊飯と搬送を受け持っていた大網白里市の納入業者に立ち入り検査が行われました。

 体の抵抗力が大人ほど強くない児童への食の提供は、何にも増して気をつけなければならないのは当然のことです。にもかかわらず、給食の異物混入事件は全国で多発しており、枚挙にいとまがありません

 神奈川県海老名市で給食にビニール片やブラシの毛、ホチキスの針などが混入していた事件が昨年度6件、今年度もすでに2件発生しているといいます。富山県富山市では給食から画びょうが見つかり、神奈川県相模原市では野菜スープに破損したプラスチック製のざるの破片が入っていました。大分県大分市では小学校のひな祭り給食に金属片が混入しているのが発見されました。

 旭市ではかつて、市内の給食センターで調理された学校給食のポークカレーにプラスチック片が混入したとして、市内10の小中学区で計3400食のカレーの提供を急きょ取り止めたことがありました。調理に使うへら状の攪拌器具の一部だったそうです。

 安全・安心であるべき給食にどうして異物混入が相次ぐのでしょうか。給食提供に携わる事業所や担当者の意識の低さやマニュアルの不徹底が疑われます。

 消費者の食の安全への意識は年々高まっており、異物対策は食品産業にとって重要な課題となっています。商品に異物が混入していたことが明らかになれば客離れをきたし、経営が苦境に陥るからです。このため、大手食品企業では細かなマニュアルが定められ、従業員に厳守が求められています。

 ある食品企業の異物混入防止マニュアルを例に挙げると、「外れたクリップなどが食材に混入する恐れがあるために、クリップやホチキスで留めた書類は持ち込まない」「金属たわしは使用禁止」「ガラス製の調味料びん、食材容器は破損するとガラス片が混入する恐れがあり、プラスチックや金属製のものに移し替えて使用」「シャープペンシルは芯が折れて飛ぶ恐れがあるので使用禁止」などと、異物混入を防ぐために考えられる限りの対策が盛り込まれています。

 今回の給食への異物混入を受けて、千葉市教育委員会では異物混入対策マニュアルを見直しするそうです。他の市町村も、千葉市での出来事を他山の石として、マニュアルやチェック体制を見直しするべきです。子どもたちの食の安全を担っているということを常に念頭に置くよう、製造担当者の再教育も必要ではないでしょうか。

 

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