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月刊コラム

2016年6月 「政治と金」で失脚再び

 「政治と金」をめぐる疑惑で、東京都知事だった舛添要一氏が辞職しました。在任2年4カ月。歴代の都知事では、医療法人から資金提供を受けていたことが発覚して辞職した前任の猪瀬直樹氏に次いで短い在任期間でした。

 ご存知の通り、事の発端は会議費と称して政治資金を家族旅行に使っていた疑いがあると週刊誌に書かれたことでした。政治資金規正法で、政治家は資金管理団体を設立することができ、その団体が政治家の政治資金を管理すると定められています。舛添氏は国会議員時代から「グローバルネットワーク研究会」と称した資金管理団体を持っていましたが、その団体が会議費として木更津市の観光ホテルに約37万円を支払ったというのです。

 政治資金管理団体は資金の使途を記載した政治資金収支報告書を総務大臣などに提出しなければならないのですが、週刊誌の報道を機に、舛添氏の収支報告書の疑惑が次々と明るみに出ました。「インターネットで買い漁った絵画などの美術品代金」「18,000円と書かれた手書きの喫茶店の領収書」「イタリア料理店、回転すし店、天ぷら店の高額な飲食」等々です。

 政治資金管理団体が管理する資金は、あくまで政治活動にあてられるものです。インターネットで購入した絵画や回転すし店での飲食などが、果たして政治活動の一環だったのかと誰もが疑問に思うのは当然です。マスコミの追及に舛添氏は、これらの支出はあくまで政治活動のためだったと抗弁していましたが、やがて不適切な収支報告があったことを認め、返還の意思を明らかにしました。

 しかしながら、不適切に使ったお金を返せば済むという問題ではありません。政治資金規正法では、収支報告書に虚偽の記載をした者には罰則が科せられると定められています。舛添氏自らが選任した弁護士による調査で「違法性はない」と説明されても、それで納得した人はほとんどいないでしょう。都民は多くの疑惑の解明を望みましたが、辞職によってそれも容易にかなわぬことになりました。

 そもそも、法律的に「白か黒か」という問題ではなく、先ほど例にあげたような数々の支出が政治活動だった、という認識そのものが都民の感覚と完全に乖離しています。湯河原の別荘に通うのに公用車を使って非難されましたが、政治家はなにより公私の区別を厳しくつけなければならないのは当然のことです。

 これまで多くの知事が都政にあたってきました。前任の学者出身の知事によって破たん寸前にまでなった都の財政を見事に立て直した鈴木俊一氏ら名都知事と言われた人も多いのですが、実は、疑惑が噴出する前には、舛添氏は仕事ができる知事として一部で評価されていたのです。リーダーシップもあり、明晰な頭脳でものごとを判断し、ぐいぐいと都政をけん引しているとの最大級の評価をする人もいました。それが、目に余る公私混同とそれに違和感を覚えない感覚のために何もかも失うことになりました。

 さて、次の都知事を決める都知事選挙です。2代続けて「政治と金」の問題でリーダーが失脚したとあって、世界中が注目する選挙になります。これまでのいきさつから、新しい都知事は「政治と金」の厳しい質問があることを覚悟しなければなりません。よもや「三代続けて…」などとならないように、疑惑の金に無縁で、日本の首都を正しい方向に引っ張っていける知事が誕生することを祈るばかりです。

 

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