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月刊コラム

2016年9豊洲市場、地下室設置のしっかりした説明を

 築地市場の江東区豊洲への移転問題が紛糾しています。今年11月には移転する計画でしたが、小池都知事が移転計画を当面、延期すると発表したのに続いて、建物の地下が盛り土をしておらず、空洞になっていることが露見しました。さらに入札の談合疑惑も持ち上がるなど、まさに迷走状態です。東京都民の台所を預かる築地市場はいったい、どうなるのでしょうか。

 開場後80年を超えた築地市場は老朽化が目立ち、いったんは建て替えも検討されましたが巨額の費用が必要なため、江東区の埋め立て地に移転することが決まりました。ただ、その用地にはかつてガス会社の工場があり、土中から環境基準を上回るベンゼンが検出されたことから、土地の表面を削り、新たに盛り土をしたことはご存知の通りです。

 ところが、最近になって、すでに完成している建物の下部がコンクリートで囲まれた地下室になっていて、盛り土がされていないことが判明、論議を呼んでいます。事は石原元都知事を巻き込んで、誰が地下室設置を指示したのかという犯人探しにまで進展しています。

 どのマスコミもこの問題を大きく扱い、盛り土をしていないので危険という論調で染まっています。確かに、厚さ4・5㍍の盛り土がされているはずなのに、都民に知らされずに、いつの間にか地下室が設けられていることは看過できない問題です。ただ、盛り土の代わりに地下空間になっているので即、危険だという断定的な論評には少々、違和感を覚えます。

 「都民を欺くもので、けしからん」との大合唱の前に、かき消されそうになっていますが、盛り土の上に直接、建物があるより、地下室があったほうが安全という専門家の意見もあります。埋立地に大きな建物を建てる際には、しっかりした地盤まで地中深く、何本もの杭を打ちます。そうすると、地下水は毛細管現象でコンクリートの杭に沿って上昇してきます。盛り土の上に直接、建物を建設した場合、上昇した地下水は建物のコンクリート床の細かなヒビなどから、床上に染み出してくるそうです。一方で、床下に地下室を設けた場合、杭を伝って上昇してきた地下水はここに溜まります。適切な排水管理がされれば、地下空間を設け、地下水と市場施設を遮断した方が安全というわけです。

 実際に地下室には水がたまっていて、安全性を確認する「専門家会議」の平田健正座長は視察の結果、地下水であると発表しました。同時に水質についても環境基準を満たしていて、水道水レベルと述べました。

 建物の地下に空間を作った理由はまだ、つまびらかにされていませんが、市場の大きな建物を建設すれば、配管などを収容するスペースが必要となります。これを地下に設けたのでしょうか。さらに、軟弱な埋立地の上に建てられた建物が、将来、地盤沈下で傾くことが無いように、丈夫なコンクリートの箱を地下に設置したのではないかという推測もされています。

 地下空間は地下水の監視、排水対策のためという報道もありました。実際にそうであるなら、これからでも地下室を設けた理由、安全性、メリットをしっかりと説明し、都民の納得を得るべきです。犯人探しの風潮に恐れおののき、関係者が皆関与を否定し責任逃ればかりしていては、一向にらちが明きません。

 県内には築地市場で働いている人が大勢います。さらに、千葉県に近い豊洲に移転すれば、これまでに増して大勢の人々が生鮮魚介や野菜・青果の仕入れに訪れます。豊洲市場問題は本県と無縁の問題ではありません。移転問題の行方をしっかりと見定めたいと思います。

 

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