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月刊コラム

2017年6月 小林麻央さん、乳がんで逝く

 歌舞伎役者、市川海老蔵さんの妻でフリーアナウンサーの小林麻央さんが亡くなりました。近況を知らせるブログを気丈に更新し続けた麻央さんの訃報を聞いて、涙した人も多かったことと思います。

 梨園に嫁ぎ、2人の子どもを育てながら夫を支えてきた麻央さんが、乳がんに気づいたのは平成26年秋でした。乳がん公表後の28年9月に「KOKORO」と題した公式ブログを開設、病状や子どもたちとの交流、生きることへの思いなどを報告してきました。6月20日に更新された352回目のブログのタイトルは「オレンジジュース」。最後となったブログは「皆様にも、今日、笑顔になれることがありますように」と結ばれていました。

 周囲の人々への感謝とねぎらいの言葉を忘れず、凛とした麻央さんの心を伝え続けたブログは、読者が250万人を超えるなど大きな反響を呼びました。影響力があり、人の心を動かす「100Women(100人の女性)」(英国BBC)の一人に選ばれたのは報道の通りです。

 麻央さんの命を奪った乳がんはどのような病気でしょうか。乳房にできる悪性腫瘍の乳がんは欧米人に比べて日本人には少ないと言われてきましたが、食生活やライフスタイルの変化に伴って、日本人女性にも急増しています。2004年に患者数が5万人を超え、今では一生の間に、12人に1人が乳がんになると言われています。これに伴って乳がんで死亡する人も増え、2013年には1万3000人を超えて35年前の3倍にもなり、30歳から64歳までの女性の死亡原因のトップになっています。

 乳がんには女性ホルモンであるエストロゲンが大きく影響しているとされています。乳がんにかかる人は30代から増え始め、50歳前後をピークとして減り始めます。閉経後にはエストロゲンの分泌が止まりますが、脂肪で別のホルモンがエストロゲンに変わるため、閉経後の肥満も乳がんリスクの一つだそうです。予防には適度な運動が役立つとされ、さらに大豆食品や魚、野菜、果物、お茶などに予防効果が認められたという報告もあります。

 乳がんは自分で調べることができるがんです。定期的に乳房やわきの下のしこりの有無を自分で触診し、鏡に映して乳房にひきつれやくぼみがないかを調べるセルフチェックが推奨されています。しかし、乳がんの初期の段階では小さすぎてしこりが分からなかったり、体調不良などの自覚症状がないことが多いと言います。このため、定期的な検診が大事になってきます。1センチ以下のしこりであれば、95%治るといわれています。
欧米の国々では乳がん検診の受診率が高く、早期発見が可能になっているため、乳がんで死亡する人が減少傾向にあるそうです。

 検診では圧迫板で乳房を挟んで撮影するマンモグラフィーが効果的です。乳がんの初期症状である微細な石灰化も撮影できる優れものですが、都市部では検診希望者数にマンモグラフィー施設の数が追い付かず、検診の予約をとるのに苦労するといったところもあると聞いています。それもあってか、県が行った平成27年のアンケート調査では、過去2年以内に乳がん検診を受けたと答えた40歳以上の女性は44.9%と半数に届きませんでした。それ以下の年代ではさらに低く、30代は41.1%、20代は6.1%にとどまっています。

 乳がんは遺伝が大きく影響すると言われています。特に母親や姉妹に乳がんになった人がいる場合は、リスクが2倍になるそうです。乳がんや卵巣がんになる可能性が高い遺伝子を持っているとして、アメリカの女優アンジェリーナ・ジョリーさんが乳がん予防のために乳房を切除して話題になりました。そこまでなかなか踏み切ることはできないと思いますが、少なくとも職場等で受けられる健康診断だけでは不十分です。早期発見のために定期的なセルフチェックを欠かさず、年1回は必ず検診を受けましょう。

 

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