官民一体となって成田空港の一層の利用促進を図り、県経済の活性化につなげようと、「グレードアップ『ナリタ』活用戦略会議」が設置され、昨年暮れに第1回目の会議が千葉市内のホテルで開催されました。
県は昨年10月に庁内の空港や経済、観光の担当課による「パワーアップ!30万回ビジョン検討プロジェクトチーム」を立ち上げて、空港周辺地域の活性化、情報発信、今後就航便が増加する国内線の活用などの検討を進めてきましたが、多様なニーズに対応できる「マルチエアポート」として成田空港を発展させるため、さらに経済界や交通事業者、物流事業者、観光事業者などの意見を幅広く聞こうと、「グレードアップ『ナリタ』活用戦略会議」を開催しました。
県経済協議会や県商工会議所連合会、県経営者協会などの経済団体、JR千葉支社、京成電鉄、県バス協会、日本旅行業界千葉県地区委員会などに加え、成田市、芝山町、多古町の空港周辺市町も参加した会合では、「東日本大震災の影響から脱しつつあり、年明けには昨年を上回る航空取扱量が期待できる」と成田空港の現状が報告され、ちばぎん総合研究所から「国内線乗り継ぎの利便性向上」「深夜早朝の貨物・ビジネス需要の取り込み」などの提言がされました。
県商工会議所連合会の石井俊昭会長ら出席者からは「圏央道の早期開通」「遠いという心理的バリア払しょくのためのPR」「県内にとどまってもらえる施設の整備」などの意見が出されました。県では「パワーアップ!30万回ビジョン検討プロジェクトチーム」と連携して施策を練り、今年8月末には提言を取りまとめたいとしています。
最近のローコスト・キャリア(LCC)の活発な就航の動きで、航空業界は戦国時代に突入したと言ってもいいでしょう。全日空や日本航空も海外のLCCと連携して新たなLCCを設立し、成田空港を拠点に国内外に就航させることを表明しています。この動きは成田空港利用促進の絶好のチャンスなのです。LCCターミナルの建設、圏央道の建設促進などを進め、成田空港の飛躍を図らなければなりません。
このような時期に官民が成田空港発展のために知恵を出し合おうという「グレードアップ『ナリタ』活用戦略会議」が開催されたことは意義深いものがあります。森田知事も「成田空港は県内経済活性化の宝。そのポテンシャルを最大限に活用し、県経済の活性化につなげたい」と話しています。会合での提言をもとに実効性がある施策が練り上げられることを期待します。