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月刊コラム

2014年5月 動物愛護条例

 ペットブームと言われてから久しいのですが、犬や猫などのペットの人気は陰りを見せません。県が平成18年に20歳以上の県民3000人に聞いたところ、40%の人が「飼っている」と答えたそうです。家族の一員としてペットを可愛がる姿が目に見えるようです。

 その一方で、少数と思いますが、ペットの正しい飼い方が分かっていない飼い主もいるようです。虐待や捨て去りなどのケースも後を絶ちません。このため千葉県では、人と動物の共生を目指して動物愛護条例制定の準備を進めています。

 ほとんどの都道府県が動物愛護条例を施行していますが、千葉県はこの条例を持っていません。現在、動物愛護条例が無い県は千葉県を含み全国で5県だけ。愛護条例が施行されていないためという訳ではないでしょうが、千葉県では毎年、全国ワーストクラスの1万頭を越える犬や猫が殺処分されています。そして、飼い主の飼育放棄で殺処分されるペットが決して少なくないという悲しい事実があります。

 飼育放棄の理由として「犬が大きくなって可愛くなくなった」「老犬の介護がしんどい」「長期の旅行に行く」「臭い」などが多いそうで、わが子のようにペットを愛している飼い主から見れば、信じがたい理由でしょう。「ペットを買い、その後1週間ほど海外旅行に行って帰ってきたらペットが餓死していた。その女性客は『1週間、餌をあげないと死んでしまうとは聞いていなかった』とペットショップの店員に怒り出した」。これはネットで拾った信じられないケースです。

 「ペットは家族の一員。日ごろから愛情を持って接し、最後まで責任を持って飼ってほしい」(森田健作知事)として、制定作業が進められている動物愛護条例の骨子案がこのほど発表されました。飼育環境の悪化に歯止めをかけるため10匹以上の飼育は届出を義務化し、犬の放し飼いには罰金を科することも検討されています。

 ワーストクラスの殺処分を減らすために、ペットにマイクロチップ装着の普及も盛り込まれています。マイクロチップは直径2ミリ、長さ8~12ミリの円筒形の電子標識器で、外部からのリーダーで記録された飼い主の情報を読み取ることが出来ます。屋外で捕獲された迷い犬も、マイクロチップの情報をもとに無事に飼い主に引き渡すことが出来ます。

 このほか、サルやカミツキガメなど、人に危害を与える恐れがある「特定動物」が逃げ出した場合は、直ちに県に通報することも義務付けられる予定です。

 私自身、平成22年の2月県議会で一般質問に立ち、動物愛護条例の制定を提案したことがあります。「死ななくてもいい動物の命を奪うために私たちの税金が使われている。これほどムダで悲しいことはありません」と訴え、条例に基づいて動物愛護事業を推進するべきと述べさせていただきました。この提案が実現するのはたいへん嬉しいことです。

 飼うとは、その命を一生背負うことです。飼い主がこの自覚を持ってペットの世話を続ければ、人と動物の素晴らしい関係が必ずできあがるでしょう。

 

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