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月刊コラム

2015年8月 安全保障法制はなぜ必要か

 安全保障法制が可決成立しました。この法案に対して「日本が戦争に巻き込まれる」「将来の徴兵制につながる」と懸念する声がありましたが、決してそうではありません。戦争が起こらないように考えられた最善の策が安全保障法制なのです。

 安全保障法制の実現が目指された背景には、世界情勢の急激な変化があります。我が国の周辺だけでも、北朝鮮は核を搭載できるミサイルの開発を急ぎ、尖閣諸島の領有権を主張している中国は、南シナ海の岩礁を埋め立てるなどして領土の拡大を目論み、周辺諸国との軋轢を生んでいます。このような緊迫した状況の中で、これまで「世界の警察」を自認してきたアメリカのオバマ大統領は「アメリカはもはや世界の警察ではない」と宣言したのです。

 アジアの揉め事が戦争に発展するのを防ぐ為に、我が国などに駐留してにらみを効かせるアメリカ軍は大きな役割を果たしてきました。アメリカの軍事費削減方針に伴って、今後、それも縮小されるかもしれません。

 これまでの我が国の平和や自立がアメリカの協力で担保されてきたところが大きいのは、大勢の人が認めるところではないかと思います。そのアメリカが「世界の警察」を返上した今、我が国はこれまでのようにアメリカの大きな傘に守られ、安穏としているわけには行かなくなりました。自国の安全を守るために、これからの毅然とした行動を可能にするのが安全保障法制なのです。もちろん、話し合いで全てを解決することが理想ですが、正論が通じ互いの国を尊重し合う、武力の無い平和な世界の実現は、残念ながらまだまだ夢の世界なのです。

 自国の安全を守るためによく引き合いに出されるのが、永世中立国を標榜するスイスです。平和な国を連想させるスイスですが、同国では国民皆兵制度をとっていて、国民は19歳、あるいは20歳になると新兵訓練を行い、その後は予備役として毎年、訓練を10回受けます。平和を守るために、他国からの侵略に備えてしっかりと準備をしているのです。

 安全保障法制に反対する人々が国会周辺でデモを行い、マスコミに大きく取り上げられました。そこで聞くに堪えなかったのが某大学教授の演説です。「阿倍に言いたい!お前は人間じゃない。叩き切ってやる」などといった暴言は大衆を扇動するアジ演説以外の何ものでもありません。「民主主義の仕組みで」との留保はありましたが、一国の首相に投げかける言葉ではないでしょう。言葉の暴力を平気で行なう人に平和を語る資格はありません。このような暴言を発する人こそ、日本を誤った方向に導く人ではないでしょうか。

 反対デモと同時に、安全保障法制に賛成する人々のデモも各地で行われました。それがほとんどマスコミで紹介されなかったのは不思議です。NHKの7月の世論調査では、法制整備を「大いに評価する」「ある程度評価する」が合わせて32%でした。新聞の世論調査では各紙によって違いますが、26~49%が必要あるいは賛成と答えています。公正平等を旨とすべきマスコミは、世論調査に沿った割合で賛成意見やアクションも取り上げるべきではないでしょうか。

 アメリカの負担が大きすぎるとして、日米安保条約の不公平論も出始めました。アメリカ大統領選で共和党から立候補しているドナルド・トランプ氏はアイオワ州での演説で、「もし日本が攻撃されたら、我々は直ちに助けに行かなければならないが、我々が攻撃されても、日本は助ける必要がない」と述べました。我が国はこのような疑問に明確に答えなければなりません。領土問題で摩擦を引き起こしている近隣の国を除いて、世界の多くの国々が「世界平和への貢献に期待する」と、安全保障法制の成立を歓迎しているのです。

 

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