元千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2018年8月 自民党総裁選

 自民党総裁選が9月7日に告示され、20日に投票が行われます。自民党総裁すなわち日本国のリーダーである総理大臣を決める重要な選挙です。

 総裁選の仕組みは、自民党所属の国会議員による投票(議員投票)と全国の自民党員・党友による投票(党員投票)によって行われます。議員票は衆院議員283人、参議院議員122人の計405票。各都道府県支部で投票された党員票は党本部で合算され、各候補者の得票数を基に総党員算定票405票が案分されて、それぞれの候補者の得票となります。

 これまでのところ、3選を目指す安倍晋三首相と石破茂元幹事長による一騎打ちとなると見られています。安倍首相を支持している自民党派閥は細田派、麻生派、岸田派、二階派、石原派の5つ。議員投票では安倍首相の優位が伝えられています。これに対し、石破元幹事長は地方遊説を積極的に行い、党員票を積み上げる構えです。

 前回の総裁選は無投票であったため、今回は安倍政権の5年8カ月を問う選挙になります。安倍首相は党所属議員らに配布した政策ビラで、次の国会へ憲法改正案の提出を目指す考えを示しました。

 憲法9条の改正は安倍首相の悲願でもあります。首相はかねがね、党大会などで憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記すべきだと主張してきました。現在、9条では第一項で「戦争放棄」、第二項で「戦力の不保持」を謳っています。自民党の改正案は第一項の「戦争放棄」はそのままに、第二項を「前項(第一項)の規定は、自衛権の発動を妨げるものではない」としています。国際法上、違憲とされている宣戦布告をしての「戦争」や、国際紛争を解決する手段としての武力による威嚇及び武力の行使は否定し、侵略を受けた際の自衛権を留保するものです。

 1954年に自衛隊が発足してから64年。これまで常に憲法9条との齟齬が問題になっていました。安倍首相が実現しようとしている憲法改正はこの齟齬を解消しようというものです。一切の武力を追放し、争いのない世界を実現するのは永遠の理想ですが、残念ながら国・地域の紛争が絶えない今の世界では夢でしかありません。現状では武力を一切持たない国の平和はあり得ません。永世中立を謳い平和な国の手本とされているスイスさえも強力な軍隊を持ち、国民皆兵制を行っているのです。

 今、日本は周辺国からさまざまな圧力を受けています。北朝鮮からのミサイル飛来の懸念はいまだ払しょくされず、島嶼(とうしょ)の領有権争いは予断を許しません。自衛隊は諸外国の武力による圧力に抗するための最前線に立っているのです。その自衛隊の存在を憲法に明記し、長い間の第9条との齟齬を解消しようという安倍首相の信念を私は支持し、続投を実現して憲法改正を成し遂げていただきたいと思っています。

 私が安倍首相の続投を願うもう一つの理由は、安定した外交力です。オバマ、トランプと続くアメリカ大統領と妥協を許さない姿勢で交渉しながら、いずれの大統領からも厚い信頼を得て新たな日米関係を展開、TPPでは甘利大臣を通して徹底的に日本の主張を押し通しました。G7では議論をリード、北朝鮮問題の解決に欠かせないロシアとの関係では、日露首脳会談を通してプーチン大統領の信頼を深めています。

 安倍首相による外交手腕は、「国益重視のしたたかな外交」として諸外国から脚光を浴びています。アメリカ・ホワイトハウスからは「ものを言える指導者」として評価され、韓国では主要紙が専門家に「主要国の指導者のうち、実利外交が最も優れた人物」を聞いたところ、31人のうち19人が「認めたくないが」という断り書きを加えたうえで安倍首相を選んだそうです。

 これまでの日本の「弱腰外交」を払拭、確固たる信念を持って日本の立場を主張する安倍首相の外交力は余人をもって代えがたいと思います。引き続いて政権を担当し、国力の増強に努めていただきたいと願っています。

 

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