元千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2019年3月 4期目の任期に決意新た

 このたび行われた千葉県議会議員選挙で4期目の当選を果たすことが出来ました。私を含めて定員の2人しか立候補者がおらず、無投票当選だったとはいえ、これも成田市民の厚いご支援の賜物と、改めて感謝いたします。新たな船出にあたって、県民の生活向上のための県政改革へ決意を新たにしています。

 さて、世界経済に大きな動揺を与えたイギリスのEU離脱の話題です。詳しくはご存知のない方もいらっしゃると思いますので、ここで一連の動きをおさらいしてみます。イギリスのEU離脱は2016年6月の国民投票で決められました。離脱の票が全体の51.9%だったのに対し、残留票は48.1%の僅差で、大方の予想を裏切って、離脱派が勝利しました。僅差だったということもあって、以後、イギリス国内では離脱派と残留派の激しいつばぜり合いが続けられてきました。

 アメリカのトランプ大統領など各国の指導者が残留を求め、国際通貨基金(IMF)などが離脱した場合の経済損失を警告する中で離脱派が優勢となった背景には、イギリス国内の、特に中高年齢層に多い「グレートブリテンの歴史の誇り」があるとの観測があります。フランスやドイツがEUでの主流を占め、さらに移民によって職場が奪われるのが我慢できないといった感情論が離脱票への後押しとなったというのです。

 国内に想像しがたい混乱を引き起こすであろう「合意なき離脱」を避けたいメイ首相はEUと通商協定などの協議を重ね、離脱案をまとめて議会の承認を求めました。しかしながら、アイルランドと地続きの北アイルランドとの離脱後の関係などがネックになり、議会は3度にわたってこれを否決しました。「合意なき離脱」「ソフトブレグジット(イギリスとEUが離脱協定に合意したうえでの離脱)」、さらに「国民投票のやり直し」論まで持ち上がり、イギリス議会は混乱の度を深めています。いささか不謹慎ですが、社会風刺画家「バンクシー」が描いた、チンパンジーが議会で激論している絵画がイギリス国内で展示され、現在の同国議会の状況を表していると評判になったそうです。

 昏迷のイギリスとEUとの関係はどうなるのでしょうか。イギリスの離脱期限が4月12日に迫っています。メイ首相は期限の再延期をEUに求めていますが、事態は不透明です。

 イギリスがEU離脱に踏み切った場合、ナショナリズムの具体的な勝利という意見もあります。国家主義とも訳されるナショナリズムは移民問題を背景に、ポーランドなど、特にヨーロッパで勢力を伸ばしています。EU発足時の「ヨーロッパだけではなく、やがて世界中の国境がなくなり、全世界が一つになる時代が来る」といった高揚感はどこにいったのでしょか。

 イギリスが合意なき離脱に踏み切った場合、同国内の企業は関税などEU域内の恩恵を受けることができません。表向きの事情はそれぞれ違いますが、自動車メーカーの日産が一部車種の製造拠点を移し、ホンダが同国内の工場を閉鎖する方針を明らかにしました。自動車メーカーばかりでなく、国内の金融・証券会社も新たな拠点を他のEU加盟国に設けるなど、イギリスのEU離脱は我が国経済にとっても大きなインパクトがある問題です。イギリスのいく末だけでなく、EUの今後の動きもしっかりと見定め、政府、企業は適切な対応を取ることが求められています。

 

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