元千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2020年1月 新型コロナウイルス

 新型コロナウイルスによる肺炎を、政府は「指定感染症」に閣議決定し対策を強化することになりました。WHO(世界保健機構)の緊急事態判断を待たずに指定を決定したことに、政府の断固とした姿勢が見てとれます。官民が一体になって、なんとしても国内での流行を食い止めなければなりません。

 新型コロナウイルスによる流行は中国湖北省武漢の生鮮市場が端緒だと言われています。これまでの調査では、市場で売られていたヘビから関係者あるいは客が感染して広まったと見られています。感染力が強く、武漢では2月4日までに35万人が感染するのではとの推測を米英の研究チームが発表しました。

 コウモリが様々な種類のコロナウイルスを持っていることが知られています。SARSやバボラ出血熱と同様に新型コロナウイルスもコウモリが持っていたものと見られ、それがヘビを経て人にうつったとされています。中国の市場でヘビ、犬、コウモリなどが食用として売られているのはごく普通の光景だそうです。印刷技術や火薬、羅針盤を発明した中国で生物学が発展しなかった理由として、珍しい生き物や植物を目にした中国人は、それがどのような系統のものかを考える前に、食べられるかどうかを考えてきたためと言われます。その説の真偽はともかく、中国料理を世界の三大料理にのし上げた食への情熱が、今回の新型コロナウイルス流行の遠因になってしまいました。

 致死率9.6%のSARS(重症急性呼吸器症候群)を世界に拡散させてしまった中国はその轍を踏むまいと、武漢からの住民の異動を制限し、海外への団体旅行を禁止するなど拡散防止に躍起となっていますが、それにもかかわらず、中国本土以外でも13の国と地域で感染者が見つかっています。

 そのほとんどが中国からの旅行者や帰国者でしたが、日本国内で28日、ついに2次感染とみられる感染者が判明しました。この運転手は中国からの団体観光客を乗せたバスを運転していたということです。二次感染を防ごうと、観光地などでは従業員のマスク着用が奨励されるなどさまざまな対策がとられてきましたが、今回の患者発生で一層の予防対策が求められることになりました。

 取るべき対策はまず、空港などでの水際対策の徹底です。潜伏期や熱の軽い人もいて、すべての感染者を水際で発見するのは難しいのですが、それでも最初の防波堤としてその機能を最大限引き上げなければなりません。次に監視や検査、医療体制の充実です。厚労省が国立感染症研究所で実施しているウイルス検査を全国の地方の衛生研究所でも実施できるようにするなど、感染拡大防止体制の構築が急ピッチで進められていますが、さらに、それらが十分に機能できるようにしなければなりません。

 第三に国民への正確で十分な情報の提供です。この先、事態の変化によっては国民の間にパニックが生じかねません。無用の混乱を引き起こさないためにも、国・政府による正確かつ十分な情報の提供は欠かせません。

 株式が一斉に売られるなど、新型コロナウイルスは世界の経済にも影響を及ぼしています。中国国内の感染者は4、5月ごろにピークを迎え、6月ごろから減少するとの試算を香港大学が発表しました。かといって決して安心はできません。パンデミック(世界的大流行)を防ぐために、世界は一致団結して感染を封じ込めなければなりません。

 

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