新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言が出されてから3週間が過ぎました。国民こぞって外出自粛生活を送り、この間、志村けんさんや岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなるというショッキングな訃報もありました。ようやく、新たな感染者減少の兆しが表れてきましたが、これからが肝要です。気を緩めずに不要不急の外出を避け、「ステイホーム(自宅に留まる)」を続けましょう。
新型コロナウイルスの潜伏期間は1~14日間と言われています。理論上、2週間以上、すべての人が他人との接触をしなければ、それ以降は新たな患者は出ないということになります。北海道大学の教授が感染症の数理モデルによるシミュレーションで、他人との接触を8割減らせば感染者数は急激に減少すると述べ、緊急事態宣言にあたって、安倍首相も「人との接触を8割、せめて7割減らしてください」と呼び掛けています。特効薬やワクチンがまだない現状では、保菌者との接触を防ぐしか、感染拡大を抑える手段はないのです。徹底的な都市封鎖を行い、人との接触を禁じた中国では、新型コロナウイルスの封じ込めに成功したという発表がされ、感染爆発にさらされて学校や事業所、店舗を一時閉鎖したニューヨーク州でも流行のピークが過ぎたとされています。「ステイホーム」の努力は決して無駄にはならないのです。
ただ、突如現れた未知のウイルスへの恐怖や長期間の外出自粛で「コロナ疲れ」を訴える人も増えています。人間は脅威に直面すると、「闘争」あるいは「逃走」のいずれかを本能的に選択するのだといいます。どちらも選択できない状況ではストレスを感じ、それが長期化するとやがてうつになるのだそうです。病院の精神科でも「コロナストレス」や「コロナうつ」を訴える患者が増えているそうです。
不安やストレスを高じさせる原因の一端に、新型コロナウイルス感染者数の公表方法があるのではと思います。厚生省は毎日、新たな感染者数を発表し、マスコミがそれを報じることによって感染者が増加の一途をたどっている印象を与えています。正確な情報を伝えるためにも、検査を受けた人数も併せて公表すべきと考えます。
陽性者が増加を続けている理由として、恐らく、緊急事態宣言などが発出され、これまで「ちょっと熱っぽいけれど大丈夫だろう」くらいに甘く考えていた人たちが、ようやく重い腰を上げて検査を受けるようになった可能性もあります。検査を受ける人数が増えれば、陽性反応が出る人も増えるのは当然です。だから、感染した人数だけではなく、検査を受けた人数も併せて公表し、何人検査を受け、何人陽性だったという公表方法にすべきです(陽性率と言われるもので、最近になってようやく聞かれるようになってきました)。感染者数が過去最多を更新などと不安をあおるだけではなく、守るべきことを守れば感染拡大は防げるという希望も持てるように工夫すべきだと思います。同様に、退院者数も逐次公表し、治った人も多いという事実を伝えるべきだと思います。
政府は5月6日までとされている緊急事態宣言の期間を延長する方向で調整に乗り出しました。もうしばらく不自由な生活を送らなければならなくなりそうです。趣味に打ち込むなどしてストレスをため込まない生活を送るよう工夫することが大切です。
新型コロナ対策で臨時県議会
新型コロナウイルス感染拡大に対応するための臨時県議会が30日、開催され、中小企業支援策や臨時の医療施設を設置するための費用を盛り込んだ総額130億円の補正予算案が可決されました。
新型コロナウイルスの爆発的な感染拡大の際に臨時病院を開設する費用として30億円が計上されました。医師、看護師らの人件費や宿泊費、ベッドなどの医療機器購入費などに充てられます。今後流行が抑制され、そのまま収束に向かえば開設されませんが、もしも爆発的に感染が拡大した際には、中程度の患者を収容する臨時病院を開設する構想です。開設場所として、自民党県議団が提案した幕張メッセが検討されています。
自民党県議団が原案を作成し、各会派に呼びかけて共同提案された臨時病院の開設を後押しする条例案も満場一致で可決されました。医療崩壊を防ぐために、臨時医療施設の迅速かつ円滑な開設につながるための県の柔軟な対応、人材、資材などの着実な準備、計画の迅速な策定と準備などを要望しています。