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月刊コラム

2010年9月 地域福祉の充実を目指して

 福祉の手助けが必要な人々からの、様々な相談に乗る中核地域生活支援センターが、千葉県の各地で活動を始めてから8年目。県内13カ所に設けられたセンターは、多いところで月に500件を上回る相談が寄せられるなど、今や地域福祉の拠点として存在感を高めています。

 社会が複雑になるにつれ、福祉の手が必要な人は、一人でいくつもの悩みを抱えているケースが多くなっています。これらの人々からさまざまな相談を聞き、専門機関への連絡・紹介を行なったりする総合相談窓口が中核地域生活支援センターです。地域福祉のネットワークづくりも大切な仕事です。だれもが、ありのままにその人らしく、地域で暮らすことができる地域社会を実現しようと、設置が計画されました。

 これまでの福祉政策は高齢者、障害者、子どもの対象別に、それぞれのセクションが行なってきました。この福祉縦割りを反省し、横断的な福祉対応を実現しようと、今推し進められているのが健康福祉千葉方式です。中核地域生活支援センターはこの構想を推進する民間サイドの拠点として福祉の総合相談、権利擁護、地域生活支援を行なっています。

 県内13医療圏ごとに設置された中核地域生活支援センターの運営は社会福祉法人やNPO、医療法人などの民間に任されています。そこでは常勤や非常勤の職員が相談者一人ひとりの状況にあわせた相談活動などを、年間を通して24時間体制で行なっています。

 この中核地域生活支援センターは千葉県独自の事業です。昨年5月には「誰ひとり見捨てない~千葉県・中核地域生活支援センターの試み」とのタイトルがつけられてNHKで放送されるなど、その役割の成否が全国的に注目されています。

 悩んでいる人への共感、地域に根付いた福祉活動など、民間の運営であるが故のメリットも多いのですが、一方で、運営をめぐる難問を抱えているセンターも少なくないようです。やはり、運営費のやりくりが大変なようで、県からの委託費の7~8割が人件費にあてられているほか、事務所の家賃も必要です。そして、何よりも重要なのが人材の確保です。様々な相談を親身になって聞く仕事は、専門知識より人間性が大事だからです。

 「国の事業として、中核地域生活支援センターのような365日、24時間体制の施設が市町村ごとに最低1カ所必要」と提言する関係者もいます。それが実現すれば、我が国の福祉は格段に向上することでしょう。多発している児童虐待もまだ芽のうちに摘むことができるかもしれません。

 全国市町村に千葉県発の試みが広がるにはまず、本家本元の中核地域生活支援センターが初期の目的を立派に果たすことが求められます。そのためには県民の協力が欠かせません。11月には支援センターの活動を広く知ってもらおうと、千葉市でシンポジウム開催も計画されています。このような様々な機会を捉えて、昼夜を問わず献身的に私たちの生活を支えてくれている、中核地域生活支援センターへの理解を深めようではありませんか。

 

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