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月刊コラム

2011年10月 急がれるモンスターペアレント対策

 2009年度の文部科学省の調査で、うつ病などの精神疾患を理由に退職した教員が940人に上りました。これは病気で退職した教員の約半数にも達します。千葉県でも同じような傾向で、精神疾患を理由に休職した教員数は2003年度に134人でしたが、5年後の2008年には1.6倍の221人に急増し、病気休職者の約6割を占めています。

 その背景には授業の準備や教材研究、部活指導、生活指導などの仕事に忙殺される教員の負担増が考えられますが、学校や教員に対して自己中心的で理不尽な要求をする保護者、いわゆるモンスターペアレントの増加も一因といわれています。

 授業中に落書きを注意された子の親が「子どもが落書きをするのは、先生の授業が面白くないせいだ」と逆にクレームをつけてきたほか、「うちの子は塾通いで疲れているので、授業中は寝かせておいてくれ」「集合写真でうちの子がすみっこに写っているのは差別だ。真ん中にして撮りなおせ」などという要求の例もあったそうです。金銭的な余裕があるのに給食費を払わない保護者もこの範疇に入るでしょう。

 研究者によると、このようなモンスターペアレントが増えてきたのは1990年代後半からだそうです。このような親は1970年代の終わりごろから1980年代初めにかけての校内暴力時代に青春を過ごしたので、もともと教師への敬意がなく、さらに「言った者勝ち」の風潮もモンスターペアレント出現の背景にあるのではと指摘しています。また、「保護者の消費者意識の暴走」と捕らえる見解もあります。

 わが子のために良かれと思っての要求なのでしょうが、道理が通らない要求は子どもの健全な精神発達に害を与えるばかりです。モンスターペアレントの子どもは往々にして、教師に対する尊敬の念が希薄で学校や教員に対して狡猾に反抗するモンスターチルドレンとして成長します。さらに、自己中心的な行動が目立ち、講義中に私語をやめなかったりするモンスター大学生も社会問題になっています。

 教員へ執拗に要求を繰り返し、要求が通らないとみると今度は校長、さらに教育委員会へ「親身に応対してくれない」とクレームの電話をするモンスターペアレントの対応に、教員は疲弊し、教育現場は混乱しています。おおらかな心で子どもたちを包み込み、情操を育む教育をしなければならない教員が、今最も心のケアを必要とするような事態は一刻も早く改善しなければなりません。

 教員のメンタルヘルス対策について、私は先の9月県議会本会議で県教育委員会の対応について質問し、さまざまな対策がとられているという答弁を得ました。それらの対策が効果を生むのを期待すると同時に、モンスターペアレントを無くすべく「親の教育」の必要性も強く感じた次第です。私の質問の様子はコチラから御覧いただけます。お時間のある方は是非アクセスしてみてください。

 

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