千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2014年11月 衆院選、アベノミクス争点に

 衆院が解散しました。安倍首相は来年に予定されていた消費税の10%引き上げを1年半、先送りすることを決めましたが、この判断の是非を国民に問いたいと、解散、総選挙を決断しました。選挙ではさらに枠を広げ、安倍首相の経済政策そのものが争点になります。

 第2次安倍政権が誕生してからおよそ2年。矢継ぎ早に打ち出された安倍首相の経済政策「アベノミクス」は日本経済の再生にどのような効果を及ぼしたのでしょうか。経済指標などをもとに、改めて2年間の「アベノミクス」を振り返ってみたいと思います。

 「アベノミクス」が3本の矢からなることはご存知の通りです。機動的な財政政策によって需要を創造するのが第1の矢でしたが、なんといっても世界をあっといわせたのが第2の矢である大胆な金融緩和でした。さらに、民間投資を喚起する成長戦略の第3の矢が放たれました。

 まず、株価が敏感に反応しました。安倍政権誕生とともに上昇を続け、今では日経平均株価は7年ぶりに17000円の大台を回復しました。為替レートも同様です。2011年には1ドル当たり75円台と異常な円高だったものが、日銀による国債の大量買入れなどで大幅な金融緩和が行われた結果、円安が進んで今では1ドルあたり120円台に乗せようとする勢いです。長期金利も安定しました。

 実体経済も上向きました。2013年度のGDP(国内総生産)は前年度比で実質2.2%伸び、企業の求人マインドも好転して失業率が低下、長い間低迷していた有効求人倍率は1倍を超えました。「アベノミクス」の眼目はデノミ退治で、それには個人消費の回復が最も重要でしたが、景気回復に対する期待感の高まりもあって、個人消費も春先まで回復基調にありました。

 ただ、今年4~6月期、7~9月期のGDP値が連続してマイナス成長でした。設備投資や住宅投資も下落しました。気の早い経済評論家の中には、これをもって「アベノミクスは失敗だった」と論じる人もありますが、果たしてそう断言していいのでしょうか。GDPの約6割を個人消費が占めますが、4~6月期には消費税アップ前の駆け込み消費の反動が深刻でした。7~9月期にも消費者の財布は固くしまったままでした。

 国内の企業の利益や労働者の賃金など、所得の変化を示す指数であるGDPデフレーターは7~9月期で対前年同期比2.1%のプラスになりました。4~6月期のプラス2.0%につづいて2四半期連続のプラスです。成長率を押し下げた要因の一つは企業の在庫削減でしたが、過剰在庫が解消されて今後、生産拡大に向かい、設備投資も好調な企業収益に支えられて、これから増加するという見方もあります。消費税引き上げというインパクトが薄れるであろう今後のGDP値の推移を、注意深く見守っていく必要があります。

 経済は生き物です。油断をすると思わぬ方向に行ってしまいます。「アベノミクス」による我が国経済の再生はまだ道半ば。せっかく上向いた日本経済を中折れさせないように、安倍首相には引き続き大胆かつ慎重な舵取りをしてもららなければなりません。

 

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