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月刊コラム

2018年12月 火の用心

 2018年の漢字は「災」だそうです。まったくもって災害の多い年でした。北海道胆振地方や大阪府北部を襲った地震、西日本豪雨、次から次へと襲来した台風などが列島の各地に大きな爪痕を残しました。夏には気象庁が「災害」と断じた猛暑が続き、熱中症で亡くなる人が相次ぎました。

 12月16日夜には北海道札幌市の繁華街で爆発があり、2階建ての建物が全壊したほか、広範囲に渡って建物のガラスが割れたりして50人を超す人が負傷しました。室内で液化天然ガスを含む大量の消臭スプレーを放出したあと、湯沸かし器のスイッチを入れたのが爆発の原因で、巻き添えを食ってけがをしたり自宅が損壊した人々にとっては降ってわいたような災害でした。

 この爆発事故では不幸中の幸いで火災は発生しませんでしたが、関東地方を中心にカラカラ天気が続き、各地で火災のニュースが相次いでいます。県内では12月19日から20日未明にかけて千葉市と野田市の住宅が焼け、焼け跡から2人の遺体が見つかりました。29日には南房総市千倉町で火災が発生し、3棟が焼けました。

 これらの火災は広範囲に燃え広がる大火にならずに消し止められていますが、湿度が低く、強い北西の風が吹く冬季には大火が発生しやすいのはご存知の通りです。記憶に残るのが2016年12月22日の糸魚川大規模火災です。新潟県糸魚川市の中華料理店から出火、火は折からのフェーン現象による強い南風にあおられて燃え広がり、147棟が全半焼する大火になりました。

 江戸時代には100回も大火が発生したそうですが、そのうちでも筆頭に上げられる大火災が明暦の大火です。縁起が悪い振袖を焼却しようとして、その火が燃え移ったことから振袖火事とも呼ばれ、江戸城を含む江戸市街地の大半が焼失しました。この大火も北西風が強く吹く1月に発生しました。いつでも火の元の用心は必要ですが、冬季には特に気をつけなければなりません。

 消防庁が発表した統計によりますと、平成29年の総出火件数は前年を2542件上回る39373件で1456人が亡くなりました。出火原因の第1位は「たばこ」で、次いで多いのが「放火」でした。この年、「放火」あるいは「放火の疑い」による出火件数が最も多かったのは東京都でしたが、千葉県は5件の火災のうち1件が「放火」「放火の疑い」による出火で、なんとワースト5位にランクしてしまいました。火の元の注意と同時に、不審者にも目を光らせる必要がありそうです。

 ところで、すべての住宅に火災警報器の設置が義務付けられてから10年が経過していますが、まだまだ設置していないお宅も多いようです。県内の設置率は78.6%で、全国平均の81.6%にも及びません。火災警報器は初期消火の助けになるほか、消火できないまでも早めの避難に役立ちます。まだ未設置のお宅は早めの設置をお勧めします。

 

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