千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2022年2月 ロシアのウクライナ侵略に歯止めを

 ウクライナにロシアが侵攻し、兵士や市民の血が流されています。いかなる理由があるにせよ、武力による現状変更の試みは許されるものではありません。一刻も早く戦火が収まるのを願っています。

 ロシア国内やベラルーシから攻め入ったロシア軍はウクライナの首都キエフに向けて進軍を続けています。ウクライナ軍が抵抗していますが、兵力の差はいかんともしがたく、陥落は時間の問題だそうです。戦火を逃れて国外へ脱出する国民が相次いでいて、列車の窓に顔をつけ、ホームに残る父親を捜して泣く幼児の姿が胸を打ちました。

 西側のNATO(北大西洋条約機構)加盟を目指したウクライナのゼレンスキー大統領の政策に、ロシアのプーチン大統領が憤ったのがロシア軍のウクライナ侵攻の引き金になったと言われています。ウクライナの景気は、銀行に預けた金が戻ってくるかを国民が心配するほど低迷していると言います。景気を上向かせようとEU加盟を目指したゼレンスキー大統領は、まず、EU加盟への門戸であるNATO入りを画策しました。プーチン大統領にしてみれば、かつてともにソビエト連邦を形成していたウクライナの西側諸国へのすり寄りが我慢できなかったのでしょう。

 プーチン大統領はウクライナ侵攻を同国に住むロシア系住民の保護のためと、蛮行を非難する諸外国に表明しました。なんと都合の良い言い訳でしょう。「同胞の保護のため」というセリフは、過去に多くの独裁者が他国への侵略の際に用いてきました。

 ウクライナ周辺に軍隊を集結させ、侵攻の構えを見せるプーチン大統領に、欧米各国が思いとどまるよう働きかけました。フランスのマクロン大統領との協議で米ロ首脳会談に基本合意しましたが、翌日にウクライナ東部の分離独立派支配地域を国家承認して合意をそでにしました。「侵攻するつもりはない」と言いながら、前言を平気で覆し、国家間の合意をも無視して侵略戦争を仕掛けたプーチン大統領の野望は何でしょうか。スラブ大国の創生でしょうか。

 武力行使に踏み切ったロシアに世界中から非難の声が集まっています。国連総会緊急特別会合では、各国の国連大使が次々とロシアを非難する演説を行いました。

 千葉県議会も28日の本会議で、ロシア軍によるウクライナ侵攻を非難する決議案を全会一致で採択しました。自民党が主導して取りまとめられた決議で、「我が国は、ウクライナの民主化・自由化を推進し、地域の平和と安定に寄与するために国際社会と協調しつつ、同国に対する支援を行ってきた」と前置きした上で、ロシア軍による侵攻をウクライナへの侵略と断じ、「同国(ウクライナ)の主権及び領土の一体性への侵害、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、力による一方的な現状変更を認めないという国際秩序の根幹を脅かすもので、断じて許されず、厳しく非難する」としています。さらに国に対して、国際社会と連携してあらゆる外交手段を駆使し、軍の即時撤収と速やかな平和の実現に全力を尽くすことを求めています。

 プーチン大統領は軍の核抑止部隊に「特別警戒」を命令し、核の使用を暗にちらつかせました。実際に地域に限定した核の使用も危惧されています。そのようなことになれば、戦後70年以上に渡って築き上げられてきた世界秩序が一挙に崩壊することになります。世界各国は力を合わせ、なんとかしてプーチン大統領の暴走を食い止めなければなりません。

 

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