千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2011年9月 ゲリラ豪雨の脅威

 ここ数年、夏の暑さが尋常ではありません。昨年は記録的に暑い夏でしたし、今年も厳しい残暑がいつまでも続きました。地球温暖化のせいで、これからずっとこのような暑い夏になるのでしょうか。

 暑さばかりでなく、雨の降り方も異常です。突然に空が真っ暗になったと思ったら、雷鳴とともに土砂降りの雨が降ってきて、アスファルトやコンクリートで覆われた地面は雨水があふれ、いたるところで浸水被害を引き起こします。このように数キロから10キロ程度の、ごく狭い地域に降る豪雨を最近ではゲリラ豪雨と呼ぶようになりました。

 1時間に30ミリ程度の雨が土砂降りと称される降雨で、50ミリの雨になると「バケツの底をひっくり返したような雨」と形容されます。1時間あたりの降雨量が80ミリになると、息苦しさを覚えると言われます。ちなみに1999年、千葉県の香取市で降った153ミリの雨が気象庁が観測した1時間当たりの降雨量日本記録だそうです。

 10年ほど前は1時間あたり50ミリを越える降雨は珍しかったのですが、最近ではしばしば80~100ミリを超える豪雨を記録するようになりました。気象庁のまとめでは、1時間あたり50ミリを越える激しい雨の発生頻度が、2000年から2009年の10年間は、1980年から1989年の約1・3倍になったそうです。一方で、年間の降水量はさほど変わらず、強い雨が増え、弱雨が少なくなっている二極化現象が進んでいるといわれています。

 ゲリラ豪雨の原因は猛暑と都市部のヒートアイランド現象で、南からの湿った暑い空気が都市の熱でさらに熱せられて急激に上昇、上空の冷たい空気に冷やされてできた積乱雲が、局地的に猛烈な雨を降らします。1時間あたり最大50ミリの降雨を想定して護岸設計されている都市部の中小河川もたまらず、都市型水害が相次いでいます。

 10分間ほどの短時間で、突然に積乱雲が発生し、局地的に激しい雨を降らせるため、ゲリラ豪雨の予報は非常に難しいとのことです。日本気象協会と防災科学技術研究所が雨粒の量や大きさ、動きなどを観測できる最新鋭のレーダーを木更津市などで稼動させていますが、これを増設して関東一円のゲリラ豪雨に目を光らす計画もあります。

 ゲリラ豪雨の名付け親は千葉市幕張に本社を置くウェザーニューズ社。2008年の流行語大賞トップテンに選ばれました。同社では全国からゲリラ豪雨の情報提供を募り、地域の人々にメールで豪雨の襲来を知らせる「ゲリラ雷雨防衛隊制度」を運用して話題になっています。

 ゲリラ豪雨の予兆を知るポイントを4点ご紹介します。①暗い雲が近づく②雷の光・音③突然冷たい風が吹き始める④天気予報の「大気の状態が不安定」という言葉。

 これらに気をつけることが第一ですが、それでもゲリラ豪雨に遭ったら①冠水した道ではマンホールや側溝に落ちないように、電柱やガードレールを目安にしたり、棒などで足元を探りながら歩く②冠水した道に車で進入しない③水辺のレジャーでは、積乱雲が発生したり、風などの変化が起きたら、すぐに河川などから離れる。

 頻繁に発生し、大きな被害をもたらすゲリラ豪雨。イザという時慌てないように、日頃から上記の点を心がけて、ゲリラ豪雨からわが身を守りましょう。

 

千葉県議会 インターネット中継

最新県議会リポート

成田のシティ情報ポータルサイト

TOP政策・提言プロフィール県議会リポート月刊コラムブログリンクお問い合わせ