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月刊コラム

2011年7月 新エネルギー利用の画期的プランを

 福島第1原子力発電所の事故をきっかけに、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどの新エネルギーの開発・普及が急務になっています。この時代の要請に応えるため、千葉県は「新エネルギー活用推進プロジェクトチーム」を立ち上げました。プロジェクトチームは、太陽光など再生可能エネルギーを利用した企業の新規事業を支援し、新エネルギーの普及を後押ししていくということです。

 震災前の日本の電力は、石油などの化石燃料による発電が約6割、原子力が約3割で、再生可能エネルギーによる発電は水力発電を合わせても1割にも満たないのが現状でした。そこにこの原発事故です。今後、脱原発が進むと予想され、原子力発電に代わるものとして、再生可能エネルギーの開発・普及が求められています。

 二酸化炭素の発生が少なく、地球環境に優しい再生可能エネルギーによる発電ですが、コストが高くつくのが難点です。経済産業省の2008年版エネルギー白書によると、毎時1キロワットの電力を発電するコストはLNG火力発電が5.8~7.1円、原子力発電が4.8~6.2円であるのに対し、風力発電は10~14円、太陽光発電は46円もかかります。

 しかしながら、技術の進歩でこの問題も解決の方向にあります。太陽電池パネル価格の大幅な下落で、イタリアやスペイン、ブラジル、米国カリフォルニア州などでは今年末までに、ソーラーパネルによる発電コストが、従来の家庭用電力のコストと同じ程度になる見通しということです。さらに、2020年までには世界100カ国以上で、ソーラー電力が現在と同じ価格で利用できるようになると報告されています。また、騒音や景観の問題で立地が難しい風力発電施設を、海洋上に設置するプランも検討されています。

 再生可能エネルギーの利用が進めば、一層のコスト軽減が期待されます。それがさらに施設の拡大につながるといった好循環が期待できます。千葉県がこのほど立ち上げた「新エネルギー活用推進プロジェクトチーム」は新エネルギーの導入に弾みをつけ、利用促進と普及を加速させようという試みです。

 環境省が行った試算では、2020年までに年間5,824~8,358万トンの二酸化炭素排出量削減に相当する再生可能エネルギーを導入した場合、2011~2020年の間に年平均3.3~4.4兆円を投資する必要がある反面で、大型インフラ事業の整備によって生み出される産業面の経済波及効果である生産誘発額が9.1~12.2兆円、生産で生み出される粗付加価値額が2.5~3.4兆円期待できるということです。

 以上の試算から分かるように、新エネルギー利用の開発・普及は脱原発で不足する電力を補うだけのものではありません。そこには大きなビジネスチャンスが秘められているのです。ぜひとも、県内企業などから新エネルギー利用の画期的なプランが考案され実現してほしいものです。

 

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