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月刊コラム

2022年5月 自殺ストップ

 体当たりの芸で人気があったダチョウ倶楽部のお笑い芸人、上島龍平さんが急逝しました。自殺とみられています。これまでも俳優の渡辺裕之さん、三浦春馬さん、竹内結子さん、歌手の神田沙也加さんらが自ら命を絶っていて、お茶の間のファンを悲しませています。華やかに見える芸能界にあって、それぞれ人に言えない深刻な悩みを抱えていたのでしょう。

 厚生労働省の統計によりますと、昨年1年間に全国で2万1007人もの人が自殺したということです。内訳は男性1万3939人、女性7068人で、女性は2年連続で増加しました。年代別では50代が3618人で最も多く、20代は一昨年より3.6%増加して2611人になりました。

 中でも若い世代の自殺が目立っていて、15~39歳の各年代の死因の第1位は自殺という状況がずっと続いています。15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進国7か国では日本だけということです。

 子どもの自殺も深刻な問題になっています。2020年には統計を取り始めた1980年以降で最多の499人の小中高校生が自殺、昨年は473人が自殺し、過去2番目の多さでした。国立成育医療研究センターの調査によりますと、小学5~6年生の9~13%、中学生の13~22%に中程度以上の抑うつ症状がみられたということです。しかも、「うつになっても、誰にも相談せずようすをみる」という回答が、小学5~6年生の25~29%、中学生の35~51%にのぼっています。コロナ禍が大人ばかりか子どもの心も蝕んでいるのです。

 自殺は、悩みを抱え解決できずにうつ病などの精神疾患を発症し、正常な判断ができなくなった結果の「追い込まれた末の死」とされています。自殺の原因として大人は「病気などの健康問題(精神疾患が最多)」「貧困や事業不振、倒産、リストラなどによる経済状況の悪化」「家庭問題」「職場の人間関係」などが挙げられ、一方で、学生の自殺の引き金は「いじめ」「ネットいじめ」「引きこもり」「経済的な問題」「受験や就活での失敗」などとなっているようです。

 自らの命を絶つ選択をした人の苦しみは筆舌に尽くし難かったに違いありません。残された家族や周囲の人々の悲しみもいかばかりだったでしょう。何とかして「自殺大国」の汚名を返上しなければなりません。

 悩みを抱えている人が追い込まれないよう、孤立しないように、社会全体での取り組みが求められています。自殺を考えている人は、「表情が暗く元気がない」「周囲との交流を避ける」「仕事や家事の能力が低下し、ミスが増える」「体調不良の訴えが多くなった」「飲酒量が増えた」などのサインを出していて、周囲の人がこれらのサインに気づき、悩みを聞くなどして孤立しないようにする必要があるということです。

 自分一人の力では解決できない悩みを抱えている人から電話で話を聞く機関があります。

 日本いのちの電話連盟 ナビダイヤル:0570-783-556(午前10時~午後10時) フリーダイヤル:0120-783-556(毎日 16:00 ~21:00 、毎月 10 日は 8:00 から翌 11 日 8:00 まで)

 こころの健康相談統一ダイヤル(県や千葉市の相談窓口に接続します) 0570-064-556 

 子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち) 0120-0-78310

 

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