千葉県議会議員 林もとひと オフィシャルサイト

月刊コラム

2011年6月 節電の夏

 福島第一原発の震災被害による電力供給不足で、今年の夏は全国的に節電に取り組まなければならないことになりました。

 節電が必要なわけは、電力使用量が供給量を超えると電力供給がストップし、大規模な停電が起こるからです。蓄電池は非常に高価なことと、蓄電効率の悪さから「電気は溜められない」というのが石油などの燃料資源との大きな違いです。発電所から家庭まで電気を送る送電システムは、需要に見合う量の電気を送ることが原則となっています。

 万一、需要が供給をオーバーするようなことがあると、周波数が乱れるなどの弊害が起き、発電所は損傷を避けるために電気を送ることをやめます。このため、大規模な停電が発生するということになります。1965年には厳冬による暖房用の電力使用増大と、ナイアガラの発電所故障が重なって、ニューヨークを中心にしたアメリカとカナダの広い範囲で大停電がおこりました。

 国の電力需給緊急対策本部の7月末の東京電力管内の電力需給見通しによると、6000万キロワットの需要に対し、5380万キロワットしか供給できない見通しで、620万キロワットの電力を節約しないと大規模停電が発生する恐れが強いことになります。

 このため、エアコン等の使用で電力使用量が上昇する今夏の節電がどうしても必要になるわけです。照明や空調に多大な電力を使用する千葉県庁でも出先機関を含め、8月から本格的に取り組む節電対策を決めました。それによると、就業時間を30分から1時間早めるサマータイムを導入し、庁内の照明を3分の1から4分の1に減灯、冷房温度は28度に設定し、クールビズのため(礼を失することのない範囲で)Tシャツやアロハシャツ、短パン、サンダルの着用を職員に認めるとしています。

 このほか、図書館などの庁外施設の休館日を増やしたりして、庁舎で25%、庁外施設で15%の節電を目指し、さらに県民にも節電を呼びかけています。私たち国民は、大震災で未曾有の被害を被った日本の復興・復旧に、力を合わせて対応する決意をしました。私もできる限りの節電に努めたいと思っています。

 一方で、節電に対する公共機関の過剰反応が心配です。先に計画停電が行われていた頃、ある市の老人福祉センターで、毎日順番待ちができるほどお年寄りに人気があった、カラオケ機器の利用を節電の一環として取りやめたことがありました。カラオケ機器1台が目をむくほど多量の電気を使うはずはありません。多くのお年寄りが張り合いをなくし、来所を取りやめたそうです。

 経済産業省の指針では、老人福祉施設は医療機関とともに節電対象施設から外れています。福祉センターがこの老人福祉施設に該当するかどうか分かりませんが、これは一つの例で、産業化への悪影響も心配です。なんでもかんでも節電、節電と狂奔せず、ケースバイケースをわきまえた上で、賢い節電を目指したいものです。

 

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