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月刊コラム

2017年12月 インフルエンザ

 今年もインフルエンザのシーズンがやってきました。これまでのところ、大規模な流行は報告されていませんが、本格的な流行は毎年、年が明けてからです。早速、インフルエンザ予防の算段を心がけましょう

 インフルエンザA型またはB型ウイルスが体内に入り込んで発病すると、頭痛や筋肉痛などの強い全身症状に悩まされます。特に65歳以上の高齢者、乳幼児、妊婦、糖尿病や慢性腎不全などの疾患を持つ人たちにとって非常に危険な病気です。

 感染力が強く、過去にはしばしば国境を越えて大流行しました。その中でも最も知られているのが1918年から流行した「スペインかぜ」です。世界で5億人以上の人が感染し、死者は5000万人から1億人に及んだといわれています。日本でも39万人が犠牲になりました。その後、1957年には「アジアインフルエンザ」、1968年に「香港インフルエンザ」、最近では2009年に「インフルエンザ2009」が大流行しました。

 このように厄介で危険なインフルエンザの感染を防ぐために、まず思い浮かぶのがワクチン接種です。インフルエンザワクチンはウイルス株を卵の中で培養し、毒性や感染性を取り除いたものです。その年に流行するインフルエンザの型を予測して製造され、毎年多くの人が接種を受けているのですが、一方で「インフルエンザワクチンは効果がない」という説も流布されています。果たして、インフルエンザワクチンの効力はどうなのでしょうか。

 ここではっきりとさせておかなければならないのは、インフルエンザワクチンには感染を予防する効果はないということです。ワクチン接種で作られた免疫がウイルスをやっつけるのですが、免疫を突破されて症状が出てしまうこともあります。6歳未満の子供を対象にした研究では、インフルエンザワクチンの有効率は60%ということです。つまり、ワクチンを接種せずにインフルエンザに罹った人が、もしもワクチンを接種していたとすると、その60%の人がインフルエンザの症状がでずに済んだであろうという数字です。

 さらにインフルエンザワクチンには、発病しても症状が重症化するのを防ぐ効果が認められています。1990~2000年の10年間、アメリカの高齢者を調べた結果、インフルエンザワクチンを接種した高齢者の方が接種していなかった高齢者よりも死亡率が低かったという論文が発表されています。免疫力が弱く、インフルエンザにかかると重症化しやすい高齢者や糖尿病、慢性腎臓病などを患っている人たちはインフルエンザに対するハイリスク群と呼ばれていますが、ワクチンはこれらハイリスク群の健康被害を軽くする効果があるとされています。

 どうやら、インフルエンザワクチンは相応の効果がありそうですが、一方で、元・国立公衆衛生院(現・国立保健医療科学院)疫学部感染室長が「インフルエンザワクチンはいらない」という内容の本を出版するなど否定的な意見も根強くあります。いずれにしてもワクチンを接種する、しないは個人の判断。要は十分に気をつけてインフルエンザにかからないことが第一。そのためには、外出から帰ってきた際の手洗いやうがいが大切です。休養とバランスの取れた食事を心がけ、人ごみに入るときにはマスクを着用するなどして、この冬を乗り切りましょう。

 

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