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月刊コラム

2019年11月 国会は重要案件の審議を尽くすべき

 都内の新宿御苑で毎年、開催されてきた「桜を見る会」を巡って国会が紛糾、12月9日の国会会期末まで残すところあとわずかにもかかわらず、日米貿易協定承認案などの重要案件が十分に審議されているとは言えない状況です。日本の進むべき道を見定め、決定するのが国会議員の重要な職責です。重要案件を置き去りにして、小事を天下の一大事のように騒ぎ立てる野党の手法に憤りさえ覚えるのは私だけではないでしょう。

 10月7日に署名され、承認に向かって審議が始まった日米貿易協定案件でしたが、今国会での最重要案件であるにもかかわらず、国会は「桜を見る会」の質疑応答に時間が費やされ、衆院外務委員会などでの審議時間は計14時間2分と、環太平洋連携協定(TPP)の70時間に比べて極端に少ない審議時間にとどまりました。現在、参院で審議されていますが、論戦の中心はやはり「桜を見る会」です。

 アメリカの圧力で条件付き継続が決まった日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)も我が国の安全保障上、国会で十分に論議が尽くされるべき重要な案件でした。北朝鮮は相変わらず、ミサイルを打ち上げ続けています。このような重要案件を後回しして「桜を見る会」の追求に奔走する主要野党の姿勢に一部マスコミやジャーナリスト、そして国民から疑問の声が高まっています。あるジャーナリストは「こんな話を国会議員が、国会でやることではない」とテレビで発言しました。ネット上では「日本の政治は、枝葉末節に引っかかって時間を無駄にしている」「与野党とも、桜の件はさっさとけりをつけて、もっと重要、喫緊の課題に対応してほしい」などとのもっともな意見が見られます。

 ある新聞社は「桜を見る会」がクローズアップされた後に行われた世論調査で、「立民の政党支持率は7・8%と前回調査(10月19、20両日実施)に比べ0・5ポイント増、共産は1・1ポイント増の3・2%でいずれも微増にとどまった。国民民主は0・5ポイント減の0・8%だった」との結果を引用して、「桜を見る会や政権の疑惑を徹底追及する主要野党の姿勢は、国民や有権者の支持を得ているとはいえないようだ」と論じています。

 主要野党は、「政府が資料提出や説明を拒否している」といったん、11月29日以降の国会審議を決めました。同日、政府側から一定の回答が得られたとして国会審議に復帰したとはいえ、「税金を無駄遣いしている」などと世論の批判が少なくない常套手段の審議拒否に踏み切ったのは、自ら職責放棄をしたと同じことです。

 通信社の記事によりますと審議拒否から一転、審議に復帰したのは国民民主党の参院側が審議出席を主張したためという観測があります。日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は「政府も丁寧に説明すべきだが、それと国会をさぼることは別だ」と野党を批判しています。国民の代表として、国権の最高機関である国会で論戦を交わしてこその国会議員であるのは当然なことです。

 主要野党は「桜を見る会は税金の無駄遣い」と声を高くして政府を非難していますが、予算を参加人数で割った一人当たりの経費は2860円程度。「予算の大部分は警備の経費に充てられるので、一人当たりのお土産代1000円というのは儀礼の範囲内」と言う経済学者もいます。「桜を見る会」は民主党政権時を含めて、これまで64回、平穏に開催されてきました。来年の「桜を見る会」は中止が決まりましたが、国民融和のイベントとして、国民の賛同を得られる形で引き続いての開催が望ましいと思います。

 

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